第23章 これから行く道
「みんなと行ってもいいよ」
翔ちゃんの顔を見ないで、
俺がそんなこと言うもんだから、
「智?一緒にやろ!
俺は、智といたいから..」
顔を覗き込んでそう言う彼の大きな目に...
ちっぽけな自分が映ってて、
ちょっと泣きそうになった。
下のなだらかな斜面で、
翔ちゃんに、それこそ手取り、足取り、
で教えてもらい、
俺は何とか曲がったり止まったりが
できるようになった。
「智~..上手いよ!
初めてでこんんなに直ぐには、
なかなか滑れないよ~♪」
「ホントに?」
優しく、根気よく教えてくれる翔ちゃんは、
自分ではほとんど滑ってなくて。
「ねえ。ここで見てるから、
上から滑ってきてよ!」
俺がそう言うと、
「智といるからいいよ..」
ほらね...そう言うと思ったよ。
でも。
「見たいの!お願い!
一回だけでいいから...」
そんな俺のお願い、
翔ちゃんが聞かない訳ないでしょ?
「じゃあ、直ぐ降りて来るから、
ここで待っててね」
「分かった。見てるよ」
すると翔ちゃんは、
俺をその場に置いて、早速リフトに。
それだけだって、カッコいい...
結構な時間だよね..待ってるのって。
上から、翔ちゃんが電話してきた。
『今から行くからね♪』
「うん、分かった♪♪」
俺は、眩しいゲレンデに、
彼の姿が現れるのを、
今か今かと、待っていた。
すると...
あっ..あれだよね?
きっとそうだ!
......カッコいい..
運動苦手な←オイッ//
翔ちゃんとは思えない、
華麗で、優雅なその姿...
.........惚れ直した❤