第23章 これから行く道
【 智side 】
正月、翔ちゃんのスキーに誘われた。
正直、寒いのもそんなに好きじゃないし、
スキーもほとんどやったことないし、
ホントなら断りたいとこだけど。
見たかったんだよね...
友達といる『櫻井翔』のこと。
嵐といるときと、
俺といるときと、
どんなふうに違うのか..
だから、勇気を出して着いてきてみたけど、
のっけから、明るい女の子達に
声を掛けられるし、
翔ちゃんの友達は、みんな頭のよさそうな、
育ちのよさそうな人ばっかで...
なんか、俺...
すげー疎外感...
もちろん彼は、ずっと側にいてくれるけど。
みなさん、慶応でしょ?
俺が出会うことなんか、
普通はない人たちばっかりで...
改めて、君と俺の違いを感じてしまって...
分かっていたことだし、
今更だけど...
なんか、拗ねてしまう...
翔ちゃんに言うと、
怒られるから言えないけどさ('ε'*)
友達といるときも、
翔ちゃんは変わらなかった。
いつも元気で、仕切ってて。
気配りして、みんなの中心的存在で、
頼られてて...
...そんな彼を見ているのは、
嬉しいというより、
むしろ...
....淋しかった。
「智。みんなは上に行くけど、
俺たちは下で滑ろうな..
教えてやるから!」
そう、ウインクされて...
俺はうれしいという気持ちより、
申し訳ない気持ちになっていた。