第22章 歩いてきた道
お正月は
少しだけまとまった休みが取れる。
テレビには毎日出ずっぱりだけど、
すべてが事前収録なので、
実際の俺たちは
お正月を楽しめるという訳。
俺の仕事始めは、4日のZEROから...
智は5日の収録からだ。
俺は、正月、大学の友達と
スキーに行くことになっていた。
毎年、予定さえ合えば行っている。
そこに、今年は思い切って智を誘ってみた。
「スキー?俺出来ないよ~?」
「教えてやるから...」
「そう~..でも、
翔ちゃんの友達ばっかでしょ?
...どうしようかなぁ..」
「ほら、田中!あいつもいるし!
知ってるじゃん!
俺が、付きっきりで、教えますから♪」
その言葉で、
智もやっと行く気になったらしく、
「分かった。2日からね...」
俺は、智とずっと居るなら、
いずれは俺の友達とも
上手くやって欲しいって思っていた。
今度のスキーはいいチャンスだと
思っていたんだ。
気心の知れた仲間とワイワイする旅行...、
そこに智がいたら、
...ちょっと想像できないだけに、
逆に楽しみだったりする。
ホテルの部屋は、2人部屋だから、
夜は二人っきりになれるし...
一石二鳥...
↑何を企んでるんだか//
こうして、大学の仲間の中に、
智を連れて行くことにして、
俺はちょっと、
いつになくワクワクしていた。
智は、心配そうだけどね...
俺は、俺の友達の中で、彼が、
どんな風にするのか、
ちょっと興味があったんだ。