第22章 歩いてきた道
「俺は、翔ちゃんの気持ちを利用したんだ...
松潤の気持ちに戸惑ってる翔ちゃんを、
偉そうなこと言って、
自分のものにしたんだ。」
「ニノ...」
「ごめんね...潤くん、翔ちゃん...俺も、
翔ちゃんが好きだったから...」
「...ニノ..」
「翔ちゃんの気持ち、分かってる、
なんて言って。
本当は、独り占めしたかった...
みんなが大好きな翔ちゃんのこと...」
「松潤も、ニノも、なに?
もう、止めよう...明日もあるしさ」
何とかこの場を終わらせたくて、
ワザと明るく言って立ち上がった。
そしたらだ...
「俺だって、翔ちゃんのこと、
ずっと好きだったよ!
だから、一緒にいられた時間は、
ずっげー幸せだった...」
「相葉くん...何を..」
「櫻井翔が鈍くて、気付いてないだけで、
嵐を結成した時から、
みんなが、翔ちゃんのこと、
好きだったんだよ...
ね~..リーダー?」
ずっと黙っていた智に、ニノが笑いかけた。
智は、少し俯いてから、顔を上げ、
俺をじっと見てから、
みんなに視線を向けて、
「3人が翔ちゃんのこと好きだって、
..知ってるよ。
分かってたよ..でも、これだけは、
もう、譲れないんだ..
櫻井翔を、俺にください!!」
「智...」
深々と頭を下げる彼に、
「くださいも何も...もう、すっかり、
大野さんのもんでしょ?」
ニノが、優しく言った。