第20章 君が好きだから
次に5人が一緒になったのは、
お正月の特番の打ち合わせ。
当然、事務所から、
他の3人にも話がいっていて、
始めは、スタッフもいたせいもあり、
何となくギクシャクした感じだった。
俺は、ここのスタッフの中で、
誰があの記事について知っているのか
分からないから、
上手く翔ちゃんに接することができなくて、
ワザと距離を置いていた。
ニノたちにも、
何となくいつもと違う、
ピリついた空気が漂っていた。
打ち合わせの休憩時間、
翔ちゃんが声を掛けてきた。
「大野さん、ちょっといい?」
「えっ?...あっ..うん..」
しどろもどろの俺。
翔ちゃんの後について部屋を出る俺のこと、
3人は目で追っていた。
......ドキドキする。
ふたりで居て、大丈夫なのかな...
翔ちゃんに連れられて、
俺は、空いている楽屋に入った。
「...ここ、使ってないんだ。
今日は誰も来ないし、
安心して、いいから。」
そう言って笑った彼は、
いつもの眩しい笑顔で。
それが逆に、
俺を戸惑わせた。
でも.....
だけど.......
「翔ちゃん!!」
俺は、彼の胸に飛び込んだ。