第20章 君が好きだから
「俺は...
俺も、翔ちゃんを愛しています。
もう、翔ちゃんしか、好きになりません。
俺の一生かけて、
大切にしたいと思ったのは、
翔ちゃんが...初めてで..
...んで、そう思うのは、
彼が、最後です。」
「智...」
翔ちゃんが俺を見る。
俺は、彼の目を見て、
力強く頷いた。
...俺も、初めてちゃんと、
彼への気持ちを、言葉にした。
「...恋愛は自由だって、
私もそう思うわ...でもね、
あなたたちは、『嵐』なのよ。
2人の純粋な気持ちを理解し、
応援すると言ってくれるファンが、
どのくらいいるかしら?」
............
「反対はしない、
でも、ほとぼりが冷めるまで、
暫く別に暮らしなさい。
会いたいときは、会えばいい...
たまに自宅に行くくらい、
メンバーなら当然でしょ...
その後のことは、
また後で、考えましょう...
今日はもういいから。」
「ご迷惑をお掛けしました。」
俺たちは、深々と頭を下げ、
部屋を出た。
「翔ちゃん...」
不安そうに見上げる俺の頭を撫でて、
「大丈夫だよ...ちょっと、
離れるだけだ...いつでも、会えるから」
そう笑ってくれた。
でも、俺は、何も言えなかった。
この夜、俺たちは、久々に
それぞれのマンションで、
1人の夜を過ごした。
俺が、絵を描いて遅くなって泊まる以外で、
誰かのチカラで、離れ離れになったのは、
初めてで...
俺は、淋しさと不安とで、
朝まで眠れなかった。