第18章 それは、ちょっとした行き違い
風呂から出ると、テーブルの上は
綺麗に片付けられていた。
俺は、キッチンで洗い物をしている
翔ちゃんの側に行き、
「今日は、大人気なくって、ごめんね。
翔ちゃんが、ベタベタ触られるの、
たまんなくって....つい....」
すると、翔ちゃんは、
「まあ、智が気になるのは分かるよ。
ちょっと、スキンシップ、
多めだったよね~。」
翔ちゃんがそう言ってくれたことに、
少し安心した。
「じゃあ、後は任せた!
俺も風呂入ってくるわ~。」
濡れた手で俺の鼻の頭を摘まんで、
彼は風呂に行ってしまった。
何となく、拍子抜けするくらいに、
呆気なくて、
もう少し、注意されると思ってたのに。
逆にガッカリしたくらい。
もっと、オネエの彼が翔ちゃんにした、
あんなことや、こんなことを、
グチグチ言いたかったのに...(`´)
俺は、キッチンを綺麗に片付けて、
リビングで、テレビを観ていた。
.....そー言えば。
俺は、翔ちゃんが貰ってきたって言う、
高級絵筆の存在を思い出した。
棚の上に乗せたそれに、
立ったまま、見惚れる俺...
一応、貰ってないから、
手を出せないけど.....
......綺麗だなぁ..
ちょっと、創作意欲が、わく♪
すると、風呂から出てきた彼が、
「それ、そんな、いいやつなの?」
とタオルで頭を拭きながら聞いてきた。