第18章 それは、ちょっとした行き違い
ちょっと反省して項垂れる俺に、
「あっ!そうそう...いいものあったんだ!」
翔ちゃんが、『いいもの』と出してきたのは、
意外にも絵筆だった。
「これ!ピカビアでしょ?
すごーい!どうしたの?」
絵筆のセットを見て興奮する俺に、
「この前取材に行った先で、貰ったんだよ。
大野くんにあげてくれってさ~」
「ホントに?やった!」
俺が、絵筆の箱を取ろうとすると、
タイミングよく、さっと、引いて、
くれない翔ちゃん。
...なんで??
きょとんとする俺に、翔ちゃんは、
「智。仕事にプライベートを持ち込んじゃ、
ダメ..だよね?」
と言って、ちょっと意地悪く笑った。
その顔は、何か企んでる顔で....
俺が何も言えず黙っていると、
「ここは、片付けとくから、
お風呂に入っておいで。」
翔ちゃんはそう言って、
いつもの優しい笑顔をくれた。
「筆は、後であげるから♪」
「...うん..」
何だかドキドキしながら、
風呂場に急いだ。
翔ちゃん、良からぬこと、
(しかも、エロいこと)
考えてる顔だった。
それを『怖い』と思う反面、
それがなんなのか、想像しただけで、
俺は、身体の芯が熱くなる感覚に、
戸惑った。
翔ちゃんに何かされるかも...
そう思っただけで、
恐怖より、期待の方が大きく膨らんでいた。
......これじゃ、俺、
変態じゃんか///
↑はい、十分に変態です!!