第18章 それは、ちょっとした行き違い
帰りの車の中。
「ちょっと買い物したいから、
スーパーに寄って!」
マネージャーに注文を出す翔ちゃん。
俺たち二人だと目立つから、と、
翔ちゃんは、一人で買い物に行った。
ホントは、一緒に行って、
ふたりであれこれ言いながら、
買い物したいけど、
彼は、そういうとこ、徹底してる。
できるだけ、リスクになるようなことは
避けたいんだ。
そんなところも、実は尊敬してる。
その場の雰囲気とかに、流されがちで、
後のこと考えてないとこある俺だから、
何度も失敗もあるわけで...
翔ちゃんの、そういう思慮深いところも、
俺にはないところで...
すげーな、って思う。
....じゃあさ、
俺が、翔ちゃんに『すげー』って、
そう思わせるようなとこ、
あんのかな~?
俺が、翔ちゃんの側にいることで、
翔ちゃんプラスになってること、
あるのかなぁ...
はぁ....松潤に釘を刺されたことが、
気になってるわけではないけど、
何だか珍しく、
ネガティブになってるみたいで...
そこへ、翔ちゃんが買い物袋を下げて、
ワゴンに帰って来た。
「今夜は、鍋にしようよ...」
笑ってくれた彼に、
俺は心底、ホッとした。
あんなお仕置きが、待ってるなんて、
夢にも思わなかった...
...この時は。