第18章 それは、ちょっとした行き違い
俺は、パソコンの画面から
目を離さずに、
「もう少し、見たいものがあるから、
先、寝てていいよ」
と、智を突き放した。
いつもなら、あっさり『お先に~』と
寝てしまうのに、
今日は、俺が本気で
パソコンやりたい訳じゃない、
って分かってるんだろうな~...
「翔ちゃん終わるまで、待ってる!」
そう言いきって、ソファに座った。
そちらへ目を向けてみると、
わざと怒ったような顔して、
胡座をかいて、腕を組んでた。
(...あっそ...好きにすれば..)
素直になれない俺は、
知らん顔で、パソコンの操作を続けた。
.........
.......
....ちらっと、智を盗み見る。
..って!!寝てんじゃん///
なんだよ...
俺の機嫌とるまで、頑張るんじゃ、
ないのかよ..(-.-)
「..はぁーっ...」
俺は大きく溜息をついてから、
パソコンの電源を落とした。
胡座をかいたままソファに凭れて、
智はガキみたいな寝顔で、
くぅくぅ、軽いいびきをかいて寝てた。
......まったく、もう....
そっと、ほっぺたをつついても、
全く起きる気配もなくて。
....しょーがねーなー(-""-;)
俺は、智の身体を抱き上げて、
寝室に向かった。
ベッドに静かに下ろした。
.....意地悪して、
ごめんよ...
そんな意味を込めて、そっと口づけても、
彼は、深い夢の中だった。
『....智。俺の夢、見ろよ!』