第18章 それは、ちょっとした行き違い
そんな俺の気も知らないで、
たかが打ち合わせの電話、
そんな笑顔、必要??
その顔見てるだけだと、
電話の相手が、
恋人みたいじゃん....
俺は、そんな彼を見ていたくなくて、
ベッドを抜け出して、
リビングに戻り、
缶ビールを開け、
パソコンの電源を入れた。
程なくして、
松潤との楽しい電話が、⬅根に持つ
終わったらしい、
智が、寝室から出てきた。
.....気付かない振り、しちゃう、俺。
大人気ないのは、
分かってるよ。
...分かってるけど、
そんな、寛大になれないょ...
「翔ちゃん、ごめんね~」
俺から出る、不機嫌オーラに、
気付いた智が、
いきなり、ごめん....
って....
でも、俺は敢えて、
「何が~?」
目も合わせず、気のない返事。
「いや、えっと...電話...
話の途中だったのに....」
...シュンとする彼が、
ちょっと可哀想になったけど、
俺の曲がったヘソは、
直ぐに元には戻らない。
「いいよ、そっちの方が、大事だし。
俺との話なんて、
どーでもいいことだから...」
「翔ちゃん...そんなこと...」
わざと、
智の顔は見ない。
だってさ、
どんな顔してんのか、
見なくても、分かるから.....
眉毛下げた、
目を合わせたら石に....
じゃなかった!
抱き締めたくなっちゃう、
あの顔だから...