第17章 HAPPY HELLOWEEN!!
早めに帰ろうと思っていた。
智が、待ってるんだから...
でも、
ドラキュラの仮装で参加した俺は、
友達の友達、みたいな人達に囲まれ、
帰るに帰れなくなっていた。
『少し、遅くなるけど、いい?』
店の隅から智にメールした。
『いいよ。楽しんできて』
彼の優しさに甘え、
ついつい二次会にまで顔を出し、
マンションに帰ったのは、
11時を回ってしまっていた。
チャイムを押しても、返事がない。
...?
俺は鍵を開けて中にはいった。
.........
リビングは、ハロウィンの飾りつけで、
華やかで、
テーブルには、智が作ったらしい、
料理が並んでいた。
!!!!
ソファの上に、青い物体が丸まってる...
智..?
側に転がった頭を見て、
それが青い熊の着ぐるみだって分かった。
中の智は、
すっかり眠ってしまっている。
その頬に、涙の後....?
それらすべての光景が、
俺の胸を締め付けた。
.......ごめんよ、智..
これ着て、帰って来た俺を
脅かそうと思って、待ってたんだね。
テーブルには、かぼちゃで作った、
ランタンがあって、
中の蝋燭は、燃え尽きて、消えていた。
俺は、何てことしたんだ...
ひとりで一生懸命ランタンを作り、
飾りつけをし、料理を作って、
俺の帰りを待っていた智が、
泣けるほど、
愛しかった。