第16章 新しい愛のカタチ
だってさ。
そりぁあ、そうでしょ!
『俺』は、もうすでに、智のものだし、
それを敢て欲しいというってことは...
......??
「智。俺なんて、もうさ、
智のもんじゃん!
お嫁にでも、貰ってくれるのかな??」
少し茶化したつもりで、そう答えたのに、
「そう。俺のものになってよ...
翔ちゃんが、欲しいんだ...」
「だか~ら~...もう俺は、
智の~... ......
えっ?...えっ??......
何??...それって...」
「そ!やらせてよ!
翔ちゃんの『初めて』...俺にちょうだい」
「は??頂戴って...
それは、つまり、...あれだよね??」
「もう~!!何度も言わせないでよ!
だからね。
誕生日プレゼントは、
翔ちゃんの『バージン』がいいの!」
「バッ、バッバッバッ、バージン!?」
「そ♪」
智は、ニコニコ穏やかな笑顔で俺を見ていて、
彼が言い放ったことが、
俺の聞き間違いだったんじゃないかと、
思わせる。
...いや...そう思いたいのは、
俺の希望的観測も、
大いに入っている訳でして...
「智...いったん、ここは、落ち着こうか!」
「俺は、落ち着いてるよ。
落ち着いてないのは、
翔ちゃんでしょ?ふふふっ...」
...そうです。
まさに、あなたの言う通りです。