第15章 おいでよ、愛しい人…
俺の隣で、満足気に彼は
腕組みをして絵を見ている。
まあ、いっか...これなら、
誰が見ても、俺だって思わないし...
考えように寄っちゃあ、
変にリアルより、有難かったのかも。
ただ、少しショックでは、あるけれど...
智が、欲しかったものを見つけたので、
そのまま、俺のマンションに移動した。
「翔ちゃん、
お風呂入っちゃえば?」
「一緒に入る?」
そう言って欲しいのかと思って、
誘ってみると、
「今日は、別でいいよ..」
......あれっ?やんわり拒否...
ふ~ん...まあ、いいけど。
「じゃあ、お先に...」
「うん」
仕方なく、俺は、風呂に入った。
湯船で、
智の様子を思い出してみる。
......絶対、なんか、隠してる。
そんなの、すぐに分かるよ。
...智、俺に隠し事なんて、
できると思ってるの?
......まあいいよ。
ゆっくりと、
聞きだそうじゃありませんか...
「おっ先~...智も、入っちゃえよ!」
「うん!そうする。
待っててね♪」
「......」
待ってて、って、何を?
絶対何か、企んでるよ。
俺は敢ての、
知らんぷりを決め込むことにし、
パソコンを開いて最新NEWSをチェックした。