第15章 おいでよ、愛しい人…
忘れもしない。
智に絵のモデルになって欲しい、
と言われ、しぶしぶ全裸のモデルをした。
動くな、と言われ、
智にいいように弄ばれたあの日は、
思い出しただけでも、赤面ものの...
それでも、彼のアートのためなら、
と、羞恥と戦いながら、
何とか頑張った....
あの時の絵が、
...これ?
いやっ!芸術だよ、
アートだよ..
俺には絶対に描けないよ...でも。
....これ、俺じゃなくね??
「あんまり、そっくりにしちゃうと、
バレちゃうでしょ?
だから、翔ちゃんの特徴だけ...
入れてみたんだ🎵」
「これさ、俺の要素、
どの辺に、あるのかなぁ?」
ほぼ、放心状態の俺に、
嬉しそうに、少しドヤ顔で
智は語る。
「丸くて可愛い目は、やっぱ残したくて~、
後は、おでこと~、
唇もそーだよ!
そうそう!乳首は、翔ちゃんだよ?
分かる??」
......いやいや、分かんねーし。
俺は、密かに、ミケランジェロ張りの、
カッコいい裸体を、想像してた訳ですよ。
それが、
こんな、栄養多可の子どもって.....
「気に入ってるんだ、それ(^^)/」
.....まあ、いっか。
客観的に見れば、確かに、
見るものに迫る迫力がある、...けど。