第14章 青空の下、キミのとなり
智は少し自慢げに、俺の手を引いて、
教会の重い扉を押した。
中は、もう暗く、
ところどころに揺れる、
蝋燭の明かりが、幻想的で、
厳かな雰囲気を際立たせていた。
智は、俺と並んで、
真ん中辺の席に腰を下ろした。
「ね、素敵でしょ?」
さっき、お店探してて見つけたんだよ..」
「....そっか..」
実は、この街に、
教会があることは知っていたし、
場所もリサーチ済みだった。
....でも、
教会でしょ?
智と二人で来るには、
敷居が高いというか...
流石に、勇気というか、
覚悟がいるわけで...
『永遠の愛を誓う場所』
に簡単に俺を誘った智くん、
まさか、記念に写メとって、
終了じゃないでしょうね~?
口数が少ない俺に、智が言う。
「翔ちゃん!教会で、
恋人同士がすることと言ったら、
1つしかないでしょ?」
「...智...あのさ...」
急に智は、俺を置いて祭壇の前まで行き、
そこから、俺を手招きする。
......何考えてんだよ...
何も言わず近づくと、
智は急に片膝をつき、
俺の手を取った。
「翔ちゃん、一生貴方だけを、
大切にします」
「......」
.........
突然の愛の誓い...
智、それ、分かってやってるの?
しかもさ、
貴方のやってるの、
どっちかって言うと、俺の役じゃね?