第14章 青空の下、キミのとなり
彼を胸に抱き留めて、
心底、心から、
安心した俺は、しばらくそのままでいて、
横を通りすぎる外国人(俺らも外国人か..)が
「ヒュ~♪」と冷やかして行く。
その口笛で、我に帰り、
智の身体を離して、その顔を覗き込んだ。
「今まで、何してたの?」
智は、港に戻り、
俺が釣りすぎてしまったイカを
ひとりで売ってお金にしたらしく。
「それで買い物してたの?」
「そう。翔ちゃん怒ってたし、
仲直りしたくて、
お揃いでTシャツ買っちゃった♪」
なんで俺が怒っていたのか、
全然わかってないくせに、
仲直りしたいという彼...
眉を八の字に下げて、
俺の顔を見ている彼が、
どうしようもなく愛しくて
俺は、その可愛い唇に、
不意のキスをした。
智は、慌てて周りをきょろきょろと見回して、
「翔ちゃん!誰かに見れれたら///」
「誰も見てないって♪
ホテルに帰ろ❤」
俺は、彼の肩を抱いて、歩き出した。
すると智は、
「そうだ!翔ちゃん、
いいとこ見つけたんだ、こっちこっち♪」
智は俺の手を取って、走り出した。
嬉しそうに俺を振り返りながら、
一体何を見つけたっていうんだろう?
智が、俺を連れて行きたかった場所は、
町のはずれにある、教会だった。
「こっち
素敵でしょ?」
智は、俺を見てにっこり笑った。
....でもさ、
ここってさ.....
......教会っってさ。