第14章 青空の下、キミのとなり
1日お世話になったふたりに、
丁寧にお礼を言って、チップを渡し、
街をぶらついてから帰ろうかと思った俺は、
しょぼんとする智に精一杯明るく声を掛けた。
「仕方ないよ~...また、来ようぜ♪
でもさ、
そのGTっての?そんなに美味いの~?」
「はあっ??」
その質問はありえない...と、
俺を見る智の目は...強いて言うなら、
特別危惧種でも見るような...
...俺、変なこと言った?
「GTなんて、食べないよ。」
「えっ?食べない魚、1日釣ってたの??」
智は、答えに困るというより、
こんなアホが、死ぬほどイカ釣って、
自分は念願の魚に会えなかったのか...
という、軽蔑とも落胆とも言えぬ、
困惑の色を瞳に宿していて...
......なんだよ、それ??
なんで、そんなにバカに
されなきゃなんないの??
智が、釣りしたい、って言うから、
船やガイドまで抑えて、
あんまり興味ないけど、付き合ったのに...
なんで、そんな目、
されなきゃなんないんだよ...!
こっちは、1日放置されてたんだぞ!!
キャプテンとベタベタしやがって//////
考えれば考えるほど、自分が情けなくなって。
「帰るわ//」
そう一言言って、俺は、
一人で町へ向かって歩き出した。