第14章 青空の下、キミのとなり
翌日は、智くんリクエストの釣り。
普段は起こしてもなかなか起きないのに、
この日は、俺が起こされた。
「翔ちゃん!早く準備して!
もう、出掛ける時間になっちゃうでしょ~」
こんなに張り切る彼は、
滅多にお目にかかれない。
俺は、のろのろとベッドから抜け出し、
歯磨きをしていた。
後ろから急に抱き着かれて、
バランスを崩しそうになる。
「ぼう...ばぶはいらろ~!」
(訳:もう...危ないだろう~!)
「船、チャーターしてくれて、ありがと♪
何が釣れるか楽しみだね~(^^)」
興奮して、高揚する顔を見ていると、
俺と釣りとどっちが好きなの?
なんて、聞いてみたくなるよ...
答えるのに悩まれそうで怖いから、
聞かないけどね(-_-;)
港に行くと、割と大きな白いクルーザーが
横付けされていて、
自分で予約したのに、
ちょっとびっくりする。
日本語OKのガイドさんも連れて、
俺たちは大海原へ、いざ出発。
智はというと。
俺のことなんかほったらかしで、
ガイドと釣竿を入念に確認している。
...まあ、いいけど~(´ 3`)
竿にやきもち妬いたって...ねぇ...
「翔ちゃん!
もしかしたら、GTが釣れるかも、って!!
あと、シイラも!!」
興奮気味の智に、
笑顔を返しては見たけれど...
GT?...シーラ?...
それ、食えんの??