第14章 青空の下、キミのとなり
ニヤニヤしている俺に、
全裸の智は、振り返って、
「翔ちゃん、何してんの?
着替えて!海、入るよ!...早く~」
言うが早いか、海パンを履き、
デッキの端にあったエントリーに駆けていく。
.....もう、何なの~?
すっかり智のペースで、
色んな予定もすっとばされているけど...
...まあ、いっか。
あんな、幸せそうな、
(ちょっと行き過ぎの感も否めないが・・・)
彼を見ているのは、
俺も嬉しいし。
仕方なく、俺も、彼の後を追って、
海パンに着替えデッキに出て行った。
彼は、すっかり海の中。
腰までの高さで、水に浸かり、
「早く~翔ちゃんも来てよ~
魚が寄ってくるよ!!」
俺は、さっきホテルの人に貰った、
魚用のパンを持ってきていたので、
智の近くに撒いてやる。
すると、さっきの3倍くらいの
可愛い魚たちが、
彼の回りに集まってきた。
「えっ?なに?なに?
すごーい!!
俺こんな側で熱帯魚見たの、
初めてだよ!」
はしゃぐ彼の近くに行こうと、
俺も、海に入った。
遠浅の海は、水温も高めで、
水は、足の爪の形さえはっきり分かるほどに、
透明だった。
智の近くまで行き、
残りのパンを撒くと、違う魚も寄ってきた。
興奮マックスの彼を見ているのは、
本当に俺にとっても、
至福の時だった。