第12章 君の全部を教えて...
「ずるいよ!翔ちゃん、
そんな、誘導尋問!」
「だって、こうでもしないと、
智、言わないでしょ?」
......
...やられた。
.........
..そうだけど。
絶対、言わない気ではいたけど...
だって、
自分が惨めすぎるでしょ?
『俺といるときより、
他の人といる方が、楽しいんでしょ!』
なんてさ。
中学生同士のカップルじゃあるまし。
もう/////
..いつも、やられる。
不満いっぱいの俺の目を
覗き込んだまま、彼は、
「ホントは、仕事中だって、
ずっと智の側にいたいよ?
でも、そんなわけに行かないしさ...
俺だって、辛い訳!」
(...そんなさ、うまいこと言って....)
「嘘だよ...
俺といるとき、この頃、
あんなにお腹抱えて笑わないもん..」
中学生の女子より、まだ幼稚だって。
分かっていても、
ここまで来たら、もう止められない。
俺は、言わないって決めてたことを、
彼にぶちまけてしまう。
「そんな風に笑わなくたって、
智といるときが、一番楽しいし、
一番幸せ。
そんなの、分かるでしょ?」
「分かんないよ!
だって俺、そんな、
面白いことも言わないし...」
(あ~もうやだ
こんなこと言いたくないよ、俺だって...)
でも、言っちゃうんだよ、
止められないの...
翔ちゃんの目を見てると、
つい、ホントの気持ち、吐いちゃうんだよ。