第12章 君の全部を教えて...
リビンクでテレビを観ていると、
風呂から出てきた翔ちゃんが、
キッチンに行って冷蔵庫を開けている。
缶ビールを2つ持って、
俺の隣に腰を下ろした。
「智も飲むだろ?..ハイ♪」
「冷たっ!」
ほっぺたにくっ付けられた缶は、
ビックリするくらい冷たかった。
渡された缶のプルタブを引き、
よく冷えたビールを喉に流し込むと、
それが胃まで流れ込むのが分かった。
その感覚に、ギュウッと目を瞑り、
ふたたび開けると....
「わあぁっ!」
テーブルに左腕を投げ出し、
その上に顔を乗せて、
翔ちゃんが、
俺のことをじっと見ていた。
「なっ!...何?」
驚きのあまり、後ずさりし、
少し彼と距離を置く。
「なっ、何で、見てるんだよ~//」
すると翔ちゃんは、
「智がさ、何考えてたのか、
考えてたの♪」
と。
直球で返してきた。
俺はとっさに、目を反らし、
「何って...何のこと?」
分かっていたけど、
敢て、しらばっくれる。
..........
「智。こっち向いて。
俺の目を見て話せよ」
「.....やだ。」
「こっち向けって..」
顎を持たれて、翔ちゃんの方にむけられる。
( これってば、『櫻井翔の顎クイ❤』
だけど...
今は、違う意味で、ドキドキする///)