第12章 君の全部を教えて...
俺はこの時、
ニノは、まだ翔ちゃんのことが好きなのかな…
って、直感した。
でも、そんなこと聞けないし、
聞いたところで、どうすることも…
仮に、『翔ちゃんをお返しします』
なんて言ったとしても、感謝されるはずもなく、
激怒されるだろう。
黙って、ニノの顔を見ている俺に、
ニノは、松潤と話している翔ちゃんに
視線を向けながら言った。
「何だろうね…俺たちって、不思議な関係だよ?
正五角形からは、ほど遠い...
ゆうたら、翔さん絡みなら、
俺たち兄弟でしょ…」
「きょ、兄弟って…///」
「時差はあっても、あの人を、
目で追ってた時が、4人にはあって。
そして、今は、...やあ、もうずっとかな~?
あなたが側にいる…」
「ニノ...俺はさ…」
「いいんだよ。
結局ね、
助けてもらったみたいな時も、
それぞれが『櫻井翔』を支えていたんだって、思うよ」
「支えてた?」
「そっ!あの人、ああ見えて、
実は一番淋しがり屋だからね…」
「.......」
俺、そんな風に考えたことなかった。
支えてるのが、自分なんて、
そんなこと…
ペットボトルで水を飲む、
ニノの喉仏が綺麗で、
妙に男らしい…
そんなことを、思っていると、
「次、智くんとニノだよ」
青空をバックに、
それに負けないくらいの笑顔で、
翔ちゃんが言った。