第11章 心のささくれ治すのは
そんなこんなで。
ドラマのも無事にクランクアップを迎え、
俺の執事役も、話題性も手伝って、
高評価で終わった。
悪い評価は、まあ、そりゃあ、ないわけない。
『がっかりだ』
『ぶち壊しだ』
『この俳優さんにやって欲しかった』など...
心痛まないわけでもないが。
ご意見としてうかがっておく...
位にして、気にしない...ことにした。
いちいち、気にしていたら、
嵐、やってらんないしね...
打ち上げでは、相手役の女優さんより、
名コンビと言われた、先輩俳優さんと、
ツーショットを録り、智に送った。
深夜...。
もう寝ているだろうと、
そっと鍵を開けて入ると、
彼はリビングにいた。
「おかえり~♪お疲れ様!」
智の笑顔で、癒される。
「ありがと。起きてたの?」
「うん。今日は、待っててあげたかったんだ」
「何でよ~...寝ててよかったのに...」
すると、彼は、
ソファで俺を手招きして、横に座れと、合図した。
俺は、言われるがままに、
彼のとなりに腰を下ろした。
左腕を上げると、そこに入り込んだ智は、
俺に凭れて、画面を見ていた。
それは、俺のドラマの録画。
...一人で、観てたのか、
と思うと、ちょっと胸がキュンとした。