第11章 心のささくれ治すのは
俺たちの仕事には、絶えず評価が付いて回る。
もちろんうれしい評価もあれば、
そうでないものもあるわけで...
『アンチがいるのは注目されている証』
『批判があるのは、むしろ喜ぶべきこと』
そう事務所から言われてきた。
実際に俺もそうだと思うよ。
...気にしない。
そのスタンスで来てはいるけど、
全く気にならない、
なんて言ったらうそになる。
視聴率、何ていうのがまさにそれで、
気にしない...
では通らないことろもあるわけで......
「翔ちゃん..どうしたの?食べないの?」
「えっ?ああっ、食べるよ、もちろん!」
彼は黙って俺を見ていた。
まずいまずい......
「うまっ!智、料理のレパートリー
増えたよね~」
「そう?今まで、あんまり料理って
興味なかったんだけど、
翔ちゃんが美味しそうに食べてくれるのが
うれしくて...
きっかけはそこかな~?」
「いや、マジで。美味いし、
...嬉しい。奥さんもらったみたい」
「えっ?」
「...えっ?」
......自分で言っといて、赤面する///
なに言ってんだ俺。
真っ赤になる俺に、智は笑顔で、
「翔ちゃん、俺たち、
ファンの間でなんて言われてるか知ってる?」
「??」
「山夫婦、だよ?
俺が夫で、翔ちゃんが奥さん」
「俺が、奥さんかよ///」