第10章 My sweet darling
その日の収録で、事件は起きた。
バンクボーリングで、
台上に上がった翔ちゃんと相葉くん。
ヘッドピンをどちらが多く倒したかで、
少しもめた...
まあ、これもサービスのひとつ。
盛り上げるための、翔ちゃんらしいスパイス。
でも、
その日は、芸人軍団が相手チーム。
俺の嫌な予感は的中した。
ふたりの投げたボールは、接触し、
残念ながらピンはほとんど倒れなかった。
残念がって、肩を落とす二人に、
「仲直りしなかったからだよ」
面白がって、煽るのは芸人のみなさん...
......まさかの展開。
これって...
俺は、動揺を顔に出さないように、必死に笑った。
ニノと松潤は、ちょっと面白がって、
ふたりを煽る。
先に乗ったのは、相葉くん。
少し躊躇したけど、
ここは引くに引けないと判断した翔ちゃんは、
相葉くんの抗議を受けて立った。
この時点で、この先に何があるのか、
会場の誰もが理解し、
歓声とも悲鳴とも判断できない声が、渦巻いた。
言い合いをしながら、向き合う2人。
徐々にその距離を詰める相葉くん...
そして...
......ファンも出演者も
キャーキャーの大騒ぎの中、
ふたりはキスをした。
その瞬間、少しだけ、翔ちゃんが首を傾けたの...
俺、見ちゃったからね(# ̄З ̄)