第10章 My sweet darling
「こんなの、最初のじゃん!
あなたと違って、
初めから上手くなんか出来ないの!」
......知ってるよ。
いつも、人一倍努力してること。
振付のV持って帰って、
家で練習してること。
だって、次の時には、
格段に上手くなってて、
カッコよく、キレキレになってるもん...
決して器用じゃない...
だからこそ、
人知れず努力している。
そんなところ、
10代のころから、変わらないよね~
京都で、舞台をやりながら、
ダンスのレッスンをしていた俺のとこに、
時々訪ねてきた君...
コンビニで食料かって、
俺の部屋で、
いろんなこと、話したよね...
.....あの時から、
翔ちゃんのこと、好きだった。
男の彼を好きだなんて、
絶対変だから、
翔ちゃんに分からないように、
.....俺も、そうとうしつこいよな..
何年忍んでるんだよって話。
そこら辺の演歌の歌詞より、
執念深いわ!
俺がそんなことを思って、笑ってると、
「何がおかしいの?」
ちょっとムッとしてる彼...
その唇、ヤバい...
可愛すぎ❤
「俺、すげー昔から、翔ちゃんのこと、
好きだったんだな~って、
思い出してたんだよ...」
すると、俺の耳朶に噛みついてから、
「勝手に浸るな!!」
そう、
眩しい笑顔で、君は笑った。