第2章 裏切りの夜
どのくらい
そうしていただろう...。
ニノからゆっくり離れて、
俺は、ニノをじっと見つめた。
ニノも、目をそらさずに俺の顔を見ている。
離れても、
離れきることができなかった、
指の先だけが触れていて、
そこだけが、
熱く、
ふたりを繋いでいた。
頭の中は、真っ白で、
何も考えられない....
というより、
真っ白な中に、
ニノだけがいるという事実が、
穏やかに、
心地よく.....
俺は、
ゆっくりと、
空気が流れるように、
ニノに、
口づけた。
触れただけのニノの唇は、
柔らかく、
落ち着いていて、
俺のそれは、
驚くほど、震えていた。
ゆっくりと、
首の角度を変えたニノが、
俺の唇を擦った。
上下を交互に啄み、
軽く吸い、
静かに動く。
俺は、堪らずニノの後頭部を引き寄せ、
深く、口づけ、
薄く開いた唇に舌を差し込んだ。