第2章 裏切りの夜
湯上がり、部屋の中で、
俺たちはビールを開けた。
黙っている俺に、ニノの方から、
「で?翔ちゃんはどうしたいの?
松潤のこと。」
俺が、黙っていると、
「相談したくなったら、してよ。
たいしたアドバイス、できないけどさ。」
そう笑って立ち上がったニノの腕を掴んで、
「潤のこと、好きじゃないんだ。」
と言った。
「嫌いな訳じゃない。
嫌いか好きかといったら、好きだけど、
それは、潤の気持ちとは、違ってる...っていうか、
俺のことが、好きで堪らないっていう、
そんなアイツの目を見ていると、
俺..」
気がつくと、ニノは、俺の背中に手を回し、
しっかり抱き締めてくれた。
「.......」
「苦しかったね。翔ちゃん。」
優しく包み込むようなニノの言葉と体温に、
今まで押さえていたものが溢れ出すように、
俺は声を上げ、泣いた。
俺が落ち着くまで、
ニノは何も言わずに、
抱き締めたまま、ゆっくり髪を撫でていてくれた。