第2章 裏切りの夜
その日は、ニノと二人のロケで、
地方に来ていた。
1日で上がらない内容のため、
夜は、近くの温泉に泊まった。
スタッフと食事をして、
軽い打ち合わせをして、
俺とニノは、部屋にふたりになった。
「翔ちゃん、お風呂行こ。」
俺たちは浴衣で連れだって、風呂に行った。
その途中、
「櫻井翔は、悩み事があるのかな?」
と、俺の顔を見ないで言った。
「...えっ?なんで?」
狼狽える俺に、彼はここで視線を寄越し、
「松潤のこと、かな?」
と言った。
「何で、分かんの!?」
ズバリ言われて、焦る俺を、
ニノは、笑いながら、
「翔ちゃん、分かりやすいもん」
その上目遣いの瞳に、動揺を隠せなかった。
露天風呂は時間もあってか、俺たちふたり以外、
誰もいなかった。
湯気の中、縁の岩の上に寄りかかったニノ...。
白くて細い身体は、頼りなくて、
女の子のようだ、
俺は、初めてそんな気持ちで見ていた。
「翔ちゃん。
そんなに見ると、恥ずかしいんですけど♪」
ニノにそう言われて、
自分が不自然な程、
ニノの身体を見ていたことに気付き、
慌てた。
「ごめん...」
すると、ニノは、笑って、
「いやいや..。そこはさ、
『見てねーわ!!!』って、否定してよ~。」
「.........」