第8章 君のとなりで
彼のドヤ顔に、
触れるだけのキスをした。
....ホントにさ。
......まったくさ。
智は、なんというか...
30前の、いい年した男とは、
思えない....
俺が、思わず笑っているのを、
智は口をすぼめながら、
「なんで笑ってんのか知らないけど、
俺はずっと、翔ちゃんに届かない気持ちを、
どうしようもなくて、
他の娘とつき合ったりしてたんだよ...
その翔ちゃんがだよ!?
俺の側にずっといてくれるって、
そんな夢みたいなこと、
言ってくれてるのに、
俺もう、他の人と付き合う必要、ないでしょ?」
........語るね...兄さん。
俺は、珍しく饒舌な智が、
もう何というか。
...カワイイ❤
俺は、おでこをコツンとぶつけて、
「分かったよ...
もう俺の前で、
他の娘の話、しないでね🎵
妬くよ..」
すると、智は、
くっついた額をぐりぐり押し付けながら、
「他の人のことなんて、
忘れさせてくれるんでしょ?
俺の頭ん中、翔ちゃんでいっぱいにしてね❤」
そう言いながら、俺の首を引き寄せ、
キスをした。
......甘い。
........甘すぎる。