第8章 君のとなりで
「何から食べようかな~?」
俺は、わざと明るくお道化て見せた。
智くんは、そんな俺を笑ってみていた。
「あっ!これ、うめ~❤
こっちは…。これもいける!
智くんも食べてみてよ!」
そう言って、俺は、
今食べたばかりの、大きなエビを、
フォークに刺して、彼の前に出した。
一瞬戸惑った顔をしたが、
彼は、優しく笑ったまま、そのエビを頬張った。
「うまい!」
彼の笑顔が、俺の胸を打ち、
心臓が、キュッと掴まれたような気がした。
.....
.........
今...
かな...?
俺は、持ってきたものを出してきて、
彼の前に差し出した。
「なに?これ…?」
「俺からの、プレゼントだよ。
開けてみて。」
小首を傾げ、
少しだけ戸惑った表情の智くんだったが、
俺に言われたように、包みを開き、箱を開けた。
「..えっ?なに?...何?これ...」
「何ってさ」
俺は智くんの横に座り、箱の中身を出して見せた。
「スエットだろ~、これはマグカップ。
後は、ハブラシと、湯のみと、茶碗と...」
「何で、全部ふたつなのよ」
俺は、智くんの目を真っ直ぐに見た。
彼の澄んだ綺麗な瞳に見返されても、
俺は、不思議なくらいに落ち着いていた。