第1章 プロローグ
「御用改めである!真選組だ!!」
入ってきたのはタバコをくわえた目付きの鋭い男と、まだあどけなさの残る栗色の髪の少年、そしてガタイの良い顎髭の男。
目付きの鋭い男は刀を構え、栗色の髪の少年はバズーカ砲を担いでいる。
「あぁ?!なんだよ朝っぱらから次から次に!!税金泥棒が何の用ですかー!しかも土足じゃねえか!靴脱げ靴!誰が掃除すると思ってんだ!!」
「銀さん、掃除してるの僕なんですけど。」
3人に向かって坂田さんはまたもや大激怒。
そんな坂田さんに向かってこめかみに青筋を浮かべ静かに怒りを向ける新八くん。
「ここに桂が潜伏しているとの情報が入った。居るんだろ。早く出せ。」
刀を構えたまま、目付きの鋭い男が言った。
気付けばいつの間にか桂さんたち居なくなってるし、あの人たちは一体何者なのだろうか。
「はぁ?居ねーよんな奴!こちとら来客中だっつの!邪魔だから出ていけ!」
「おい、そこの女。桂見かけなかったか?」
「ねぇ人の話聞いてる?!」
坂田さんを無視し、鋭い視線が私に向けられた。
「い、いえ…見てません。」
よくわからないけれど、この人たちに捕まってしまえば桂さんたちはただじゃ済まない気がして、咄嗟に嘘をついた。
それに、刀も本物を見たことがないからわからないけれど、鈍く光るその切っ先に自分の命を握られているような感覚を覚えた。
思わず隣にいた神楽ちゃんの手を握る。それに気付いた神楽ちゃんは優しく握り返してくれた。
「オイ!腐れマヨラー!それ仕舞えヨ!こはるちゃん怖くて震えてるネ!」
神楽ちゃんがそう言って男を怒鳴りつけると、男は「チッ」と舌打ちをして刀を鞘におさめた。