第6章 嫉妬2
───悪かった。忘れてくれ。
土方さんは確かにそう言った。
別に私だって土方さんに対して恋愛感情があったわけではない。それなのに、どうしてこんなに苦しいのだろうか。
胸につっかえた気持ちごと洗い流すかのように、私は無心で厨房に1人、黙々と食器を片付けた。
「あー腹減った。こはるさん、今日の飯は何ですかィ?」
「あ…お、沖田さん…」
洗い物をしていると、沖田さんがふらっとやってきた。
「どうしたんでィ。んな辛気臭ェ顔して。土方のヤローになにか言われたんですかィ。」
「へっ?!いや!別に!!」
慌てて下を向いて洗い物に集中すると、沖田さんが私の手をパッと掴んだ。
「ちょ、沖田さ、」
手から滑り落ちたお皿が音を立てて砕けた瞬間、沖田さんは私にキスをした。