第1章 プロローグ
「それはそうと旦那ァ、そちらのお嬢さんは何者でィ。ここいらじゃ見かけねぇ格好でさァ。」
栗色の髪の少年が私へ視線を向ける。
改めて自分の格好を見てみると、白のスキニージーンズに淡いピンク色のゆるめのコットンセーター。そして、左手には財布、右手には一升瓶を携えている。
一升瓶以外は別に珍しい格好ではない気がするが、坂田さん、新八くん、桂さんも着物だったし、この町では着物が一般的なのだろうか。
「うちの階段で酔い潰れて寝てたところを優しい銀さんが保護してやったんだよ。ていうか、こはるちゃんが何者なのか聞きてえのをお前らがズカズカ上がり込んでくっから全然話が進まねぇじゃねーか!」
「ほう、こはるさんというのか。お妙さんとはまた違った魅力に溢れる美しい方だ。なぁトシ。」
「なんで俺に振るんだ。」
「お前ら人の話を聞けェェェッ!!!」