第5章 嫉妬
その後、カフェで軽くお茶していたら、あっという間に帰る時間。
今日のお礼にと私が支払いをしようとすると、山崎さんに無理矢理止められ、結局カフェもご馳走になってしまった。
「何から何まですみません。」
「全然!こはるさんとこうして出かけられて俺も楽しかったし。今日はありがとう。」
「そんな、こちらこそ楽しかったです!ありがとうございます。」
そう言うと、山崎さんは少し照れたように頬を掻きながら笑った。
***
「ただいま戻りました。」
屯所に戻り玄関に入ると、土方さんがソワソワしながら待っていた。
「出かけてたのか。」
「ええ。山崎さんにお買い物付き合ってもらってました。」
「そ、そうか。」
「どうされました?なんかソワソワしてません?」
「え?ああ、いや、なんでもない。荷物貸せ。部屋まで運んでやる。」
「え、あ、ちょ、副長!俺が、」
「いい。ついでだ。」
そう言うと土方さんは私と山崎さんの手から荷物を引き取り、スタスタと歩いていった。
「すみません山崎さん。今日は本当にありがとうございました。今度改めてお礼させてくださいね!」
「あ、こはるさん!」
私は山崎さんにお礼を言い、急いで土方さんを追いかけた。