第4章 甘い約束
「ああ?てめぇらこそ何してんだ。この女にそれ以上触れてみろ。ただじゃおかねぇからな。」
ふわりと抱きしめられた腕の中顔を上げると、
「……!坂田さんっ!」
それは、この世界で一番最初に私を拾ってくれたその人。
坂田さんは男たちに木刀を突きつけた。
「…やんのか?」
そう言って坂田さんが睨みつけると、男たちは、やってらんねー、と言いながらバイクに跨りふらつきながら去っていった。
***
「ほんっっっとありがとうございます!」
私は勢いよく頭を下げたせいで、テーブルで盛大に額をぶつけた。
「おいおい、大丈夫か?」
「うぅっ。痛い…」
私が額を抑え蹲っていると、店員さんが注文を取りに来た。
「あ、お姉さん、チョコレートパフェ2つと、こいつの頭冷やす用の氷もらえる?」
「かしこまりました。すぐにお持ちしますね!」
私は恥ずかしさでいたたまれなくなり、両手で顔を覆って小さくなっていた。
「しっかし久しぶりじゃねぇか。仕事の方はどうだ?もう慣れたか?」
「…はいお陰様で。その節は大変お世話になりました。」
「いやぁ、俺ァなにもしてねえよ。でも大丈夫か?あんなむさ苦しいとこで変なことされてねえか?」
ふいにそんなことを聞かれ、先日土方さんに醜い下着姿を晒した挙句着付けをしてもらうという醜態を思い出してしまった。
「……え?ちょ、なんでそんな真っ赤なの。なに?え、そうなの?!なんかあったの?!」
「いいいいいいえ!!違くて!!全然違くてえええ!!悪気はなかったんですけど、ちょっとアレで……」
両手をブンブン振って全力で否定する私に坂田さんは顔を引き攣らせていた。
「あ…ハハ……なんかよくわかんねえけど……なにかやらかしたっつーのは伝わったわ。」