第4章 甘い約束
書店を出てしばらく歩くと、今度は『バトルロイヤルホスト』という少々物騒な看板を掲げた建物が見えてきた。
近くまで来て中を覗くと、どうやらファミレスのようだったので、1ヶ月頑張った自分へのご褒美にパフェでも食べようかと思い、入口を探した。
入口の近くではイケイケなお兄さんが数人、タバコを吸いながらたむろしていた。
本能的に近付いてはいけないと感じ、踵を返そうとすると、イケイケなお兄さんの1人が私の存在に気付いた。
「あれれぇ〜?お姉さん1人ぃ?てかめっちゃ可愛いじゃーん。」
「え、あはは…それはどうもありがとうございます。それでは私はこれで……」
ぺこりと頭を下げ、逃げようとしたが、サッと前に回り込まれる。
いつの間にか男3人に取り囲まれてしまった。
「ちょちょちょ、んな逃げなくてもいいじゃん。せっかく会えたんだから俺らと遊んでこうぜ?」
そう言ってニヤニヤと下品な笑いを浮かべる3人のあまりの気持ち悪さに鳥肌が立った。
「ほらぁ、こっち来いって!」
一人の男が私の肩を抱き寄せ、もう1人の男が腰に手を回す。
「ひっ!…い、いやっ!やめてください!」
「そんな拒否んなよォ。黙って着いてくれば優しぃ〜くしてやんのによォ。」
あまりの不快感にギュッとかたく目を瞑ったその時、
「ギャッ!」「なにすんだテメェ!ぐはっ!!」
その声と同時に不快感から解放され、甘い香りに包まれた。