第4章 甘い約束
いくらかお金を引き出し、銀行を出てしばらく歩くと、割と新しい感じの書店があった。中に入ると、本以外にも文房具や雑貨なども置いてあった。TS⚫T⚫YAみたいだなと思ってよく見ると、お店の名前がTATSUYAだったので思わず笑いそうになってしまった。
店内の奥の方に進むと栄養学の本があり、中をめくってみると、食品ごとの栄養素の一覧や、理想的な食事の栄養バランス等が書いてあった。写真もたくさんで見応えがある。
その隣にはお菓子作りの本が置いてあった。
決して簡単なレシピではなく、専門性の高い技術やレシピが写真付きで載っている本格的なものだった。
2冊とも本格的な専門書ということもあり、大きさや厚さもなかなかのもので、お値段も一般的なレシピ本の10倍はしそうだ。
だが、これも自己投資だ。
こういうものできちんと自分で勉強することで、真選組の皆さんに恩返しがしたい。
私はこの2冊を抱え、カゴに入れた。
他にも、ペンケースや筆記用具、ルーズリーフとそれを保管する為のバインダーも一緒にカゴに入れてレジへ並んだ。
「よっこいせっ!ふんっ!はぁ……重い。」
「これは重かったでしょう。籠、呼びましょうか?」
すぐに順番がまわってきたので気合を入れてカゴをレジのカウンターにのせると、レジのお姉さんが笑顔で声をかけてくれた。
「え?あ、いえ、大丈夫です。頑張って持って帰ります。ありがとうございます。」
そう言ってこちらも笑顔を返した。
だって【籠】がなんなのかわからない。
レジでお金を払い、荷物は持ってきた風呂敷に包んでもらった。
下から支えて持つようにすれば、なんとか持てそうだ。