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白昼夢、或いは現か夢遊病。

第1章 短編集







その日から丁度一年後、闇の帝王との戦いで彼女は我輩を庇って死んだ。
血だらけになった喉、ボロボロになった服と体。
それでも笑っている顔。


最後に彼女は




「     」



と言った。





それを言うのは自分だと彼女の名前を呼んだ。
その声は届かなかった。




そして、その後も我輩はホグワーツに居た。
隣には彼女が居る。

ゴーストとなった彼女が。


「先生老けましたね」

「お前が変わらないだけだ」


今、此処に。
我輩の側で、笑って。


「あのね私、先生を救うために、護るためにここに来たんですよ」



彼女は過去の話をした。
ゴーストのくせに、ソファーに座って。
あの時と同じのボロボロの制服と血だらけの喉で。



彼女は本来はここの人物ではなくバグの様な存在だった事。
我輩を護るためにスリザリンに入寮した事。
我輩達は彼女の世界で物語の中の人物だった事。
罰則は我輩に会いにわざと受けていた事。
我輩の本来の最期の事。
我輩に好意を持っていた事。


その証拠に彼女に話していなかった話も、我輩も知らなかった話もしてくれた。


罰則の件は聞き逃さなかった。
スリザリンから10点減点しておいた。


そして、最後の話には驚いた。
あの時の戯言だと思っていた言葉は本当だったのかと。
返事は少し待ってくれと言った。我ながら生意気な事を言ったと思う。


そして



彼女の命が無くなる前に




彼女が言った言葉を





少し自分の感情を足して返した。







「ありがとう」






彼女は笑っていた






「先生も死んだらここで一緒にゴーストとして暮らしましょ」




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