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白昼夢、或いは現か夢遊病。

第1章 短編集


カサカサと手紙が動き出し、宙に浮かんだ。


吠えメールの様だ

じっと見ているとずっと聞いていた懐かしい声が部屋に響いた



《聞こえているでしょうか、レギュラスです。
 この手紙を聞いている頃、僕はこの世には居ないでしょう。きっとなまえは見つけると信じてこの手紙を残します。

・・・貴女は僕にとって、最も大切な存在でした。家族の誰よりも、学校の誰よりも。勿論、クリーチャーもですよ。貴女が死喰い人になっていたという話を聞いたとき、貴女が命の危険に曝されていると言うショックよりも、僕は貴女とまだ居れるという喜びの方が心の大多数を占めていました。きっと僕も少なからず不安だったのだと思います。ありがとうございます。

そして、僕は今からクリーチャーと分霊箱を壊しに行きます。貴女を連れていかなかった理由は、決して貴女が頼り無いからではありません。貴女は僕よりずっと強い・・・貴女の強さに僕がどんなに勇気づけられた事か分かりません。あの時、入学前の家族からの威圧に耐えられたのも、貴女のお陰です。貴女はもう何回も僕を救っているんです。だから、最後は僕に貴女を守らせてください。

・・・そして、貴女にもう一つ。

僕は貴女がずっと前から好きでした。
本当は貴女から返事を聞きたかったのですが、決心が揺らぎそうなので待たずに行きます。
なので、この返事は手紙で書いてクリーチャーに届けてもらってください。イエスの場合はこの手紙が入っていた封筒にフィニートと唱えてください。


あ、この手紙の内容は門外不出でお願いします。

僕が居なくても、きちんと食事を摂ってくださいね。

どうか、いつまでもお元気で。》
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