第1章 短編集
「僕は・・・
死喰い人になります」
「・・・・・・そう」
いつかこんな話をするのだろうと思ってはいた。
そして、この話をされた時、どう答えるかはもう決まっていた
「ねえ、レグルス」
「はい」
「私ね、
死喰い人なの」
左腕の袖を捲って言うと、レギュラスは其処に立ち尽くした
「何故・・・ですか・・・」
掠れた声でレギュラスが言う
「私ね、レグルスにこうやって言われる日が来るとは思っていたの。死喰い人の話してる時のレグルス、すごく目が輝いてたんだもん。だから、先回りしてやろうと思って」
レギュラスに私も死喰い人になりたいと言ったら彼は何をしてでも私を止めるだろう
だから私は彼より先に死喰い人になった
レギュラスと戦うために
「私、レグルスと戦う。貴方一人で戦うのを黙って見てるなんて出来ない・・・」
真剣な眼差しでレギュラスを見るとレギュラスはさっきと同じの掠れた声で弱々しく言った
「・・・僕が何を言っても聞きそうにもないから今まで貴女を止めるために先手を打ってきたのに・・・そうやってる所を見せまいと見透かした態度をとっていたのに・・・何故・・・何故こんな重要な所で・・・」
「レグルス、貴方も辛かったはずなのに入学前のブラック家からの威圧を忘れさせようとしてくれた。だから私も貴方を助けるわ。」
震えるレギュラスをぎゅう、と抱きしめると「大丈夫」と言って頭を撫でた。
16歳になったレギュラスは死喰い人になった。
あの日まで私達は一緒に仕事をこなしたりして充実した毎日を送っていた
私に何も言わず出て行ってしまったのは17歳の秋
レギュラスは戻ってこなかった