第1章 短編集
「まさか、磔の呪いを一発で出来るとは思わなかったよ。」
特別授業で初めて先生に誉められた
「ありがとうございます!」
ソファーに座って改まった表情で先生が言った
「君は・・・僕の本当を見ても逃げなかった・・・」
「先生素敵ですから」
「素敵?」
「私、前から先生の事好きでしたしね」
「そんな事、知ってるけど」
「え」
「僕の授業を人とは違う様な目で見てたし、僕の訓練について来たのがいい証拠だと思うけど?」
「・・・たしかに」
「そして、この僕も君を特別視していた」
「!?」
「君は僕と同じ臭いがする・・・他の奴らは僕の仮面を見て好きと言った。けれど君は・・・僕自身を見て好きと言った」
「えっと・・・先生、私が言っているのは・・・好きは好きでも・・・その・・・恋愛の好き・・・なんです」
「ああ、分かっているよ。」
「嘘・・・」
嘘でないことなんて分かる。先生の目が言っているんだもの。
その考えを見透かすかの様に先生は言った
「分かっているくせに」
次の瞬間、先生の手が私の首に来ていた。声を出す前にその手に力をいれた。
ぎゅるぎゅると力の入る手にさえも幸せを感じる自分に私は心の中で嘲笑を浮かべた
「先生・・・好き・・・好き・・・ぃ」
「何?こんな事されて喜んでるの?この変態。」
「せん、せ・・・もっと強く・・・!」
「わあ、君よっぽどだね・・・」
更に手に力が入って暫くすると私は意識を手放した
目が覚めると先生の部屋だった
側にあった鏡を見ると首に痣が出来ていた。痣を撫でると先生の声。
「おはよう、変態さん。」