第1章 短編集
次の日から彼と私は必要の部屋で毎日顔を合わせた。初めは挨拶が終わったらさっさと部屋の奥に行っていたレギュラスも、私の絵を見て感想をくれて、それから奥に行くようになり、その内私の隣で過ごすようになった。
彼は私と同じ四年生であり、私と幼なじみのセブルスによくしてもらってるそうだ。廊下ですれ違ったりしてたそうだが、私は気づいてなかった。
「あ、僕これ好きです」
レギュラスが私の絵を見て言う
「これか・・・これはね、アンドロギュノスだよ」
「アンドロギュノス?」
私は前に見つけた本の記述について話した。
「でもさ、ほとんどの人が間違ったパートナーを見付けて本当のパートナーを置いてけぼりにするんだと思うな」
「そうですね、許婚とかありますし。」
「ね。あれ、やっぱりレギュラスにも許婚とかいるの?」
「・・・いえ、僕にはまだ」
「えっと、レギュラスにはお兄様がいるんだっけ」
「・・・あんなの兄でもなんでもありません」
「・・・ごめんなさい」
気まずい雰囲気だったので、他の話題に変えようとしたその時、彼が口を開いた
「兄は・・・アイツは・・・家を裏切りました。高貴なブラック家の恥です。ブラック家がグリフィンドールだなんて許されない・・・純血でもない者とばかりツルんで・・・」
所々普段の敬語ではなくなってるレギュラスになまえは恐る恐る質問した
「・・・レギュラスもやっぱり純血主義なの・・・?」
純血主義だったら?自分はマグル生まれだと彼に言ったらどうなるだろうか。でも、もしかしたら違うかもしれないという希望も抱いていた
そしてその希望はゆっくりと開いた彼の口に打ち砕かれる
「・・・・・・ええ、僕はブラック家の人間ですから」
嗚呼、よく考えなくとも分かることじゃあないか。先程の兄とは違う。彼はレギュラス・ブラックは歴とした・・・
レギュラスに嫌われると思ったら涙がぼろぼろと出てきた。今まで何人の子に嫌われても、またかと思うだけで諦めがついた。でも、今目の前に居る、たった一人の男に嫌われると思っただけで自分は終わるとまで思ったのだから。ホグワーツに来る前に、日本の友達と別れた時だってこんなにショックを受けなかった。
なのに・・・何故・・・・・・