第1章 短編集
「知っていました」
沈黙を破ったレギュラスに何が、と聞く前に答えは返ってきた
「貴女がマグル生まれだと言うことは知っていました」
「じゃあ・・・」
「ずっと・・・ずっと見ていました。授業が終わったら貴女に会えないか、すれ違えないかと考えていました。貴女が寮の奴らに嫌味を言われている時、"穢れた血"聞こえてきてブラック家として近付くのはいけないと、僕はこのまま遠くで見ているしかないのだと思いました。貴女が独りの時も、僕はブラック家を優先してしまいました。この部屋で出会ったときは嬉しかった、ただひたすら・・・」
「・・・え・・・レギュラス・・・あの・・・・・・なんで私なんかを見てたの・・・?どうして・・・私なんかを・・・」
「気になって気になって、どうしようもなかったのです。しかし、僕は貴女に手を差し伸べる事も出来なかった・・・いえ、しなかったのです。だから・・・そんな僕は貴女に近付く資格なんてありません。」
「止めてよ・・・私、レギュラスが居なくなったら・・・私または独りになっちゃう・・・止めて独りにしないでずっと・・・ずっと此処にいて・・・お願い・・・お願い・・・・・・」
いつの間にか掴んでいたレギュラスのローブをこれでもかと言うほど握りしめていた。泣いている顔を見られないように俯いて。
「貴女は・・・貴女は、僕が此処に居てもいいと言うのですか・・・だって・・・僕は貴女に・・・」
「何もしなくてもいい、レギュラスが此処に、此処に居たら・・・例え助けてくれなくても・・・いつもは他人のふりでいいから・・・私はレギュラスが・・・」
好き、と言う前にレギュラスが私を抱き締めてくれた。レギュラスも私も震えていた。
「今、初めて家が無くなればいいのにと思えました・・・僕は貴女が・・・好きです」
「レギュラス・・・私も、私もレギュラスが大好きです
・・・」