第6章 お出かけしましょう。
変な人達に絡まれたり、服を買いに行ったりしたせいで水族館についたのは、だいぶ予定より過ぎた時間だった。
まだ遅くはない時間帯なのでゆっくりみる時間はあるはずだ。
「チケットは買ってあるんで行きましょう!」
「ああ!水族館に来るのは久々だから楽しみだな」
中に入って最初に小さなふれあいコーナーがある。色々な種類のヒトデやナマコなどが水槽に入っていた。
「カラ松さん!あれ行きましょう!!」
私はカラ松さんの腕をぐいぐい引っ張ってふれあいコーナーの側まで来る。
「雪実…これ触るのか……」
「意外とぷにぷにしてますよ!」
私がナマコを触っているのを信じられないというような顔でこちらを見てくる。
「触らないんですか?」
「……俺はノーセンキューだ」
「面白いのに……」
ナマコを触らず、カラ松さんはつんつんとヒトデをつついていた。
触っているのに飽きたのでカラ松さんに声をかけてもっと奥へと進むことにした。
「カラ松さーん、次行きましょー」
「オフコースだぜぇ」
「日本語で喋ってくださーい」
「えっ」
「冗談ですよ」
次の水槽には、カラフルな熱帯魚がたくさん泳いでいた。
赤や青、黄色な緑などの鮮やかな魚が透き通った水の中をあちらこちらへと泳ぎまわっている。
5分くらいだろうか私達は黙ったまま、水槽を見ていた。
「……綺麗ですねぇ」
「そうだな、兄弟を思い出すな」
「どうしてですか?」
「……俺らの色が飛び回っているから?」
自分で言っておきながらクエスチョンマークのついたカラ松さんを見てくすくすと笑ってしまう。
「おかしなこといってないぞ?」
「カラ松さんは兄弟のこと大好きなんですね」
「…そうだな」
優しい笑顔を、こちらに向ける。きっと兄弟のことを思い出しているのだろう。
「……」
「……次行こう」
「はい。次は何がいるんでしょうね?」
「楽しみだな」
行ったことのある水族館が一箇所しかないのでそこをイメージして書いてます。ほかの水族館ってどんな造りになっているんでしょうね?