第6章 お出かけしましょう。
「かっ、カラ松さん!もうっ大丈夫です!下ろしてください!」
パトカーのサイレンが聞こえなくなるまで走り続けるカラ松さんに声をかける。
抱きかかえられて走っていたからか人の目がいたい。恥ずかしい。
「あ、ああ。すまん」
「は、はやくおろしてぇっ」
恥ずかしさで顔があつい。足をばたばたさせて暴れるとカラ松さんはやっとおろしてくれる。
「girlは恥ずかしがり屋だな」
「カラ松さんが図太いんです!」
ははっと笑いながらカラ松さんが頭を撫でてくる。
私を抱えながら走ったのに、少し汗はかいてるもののカラ松さんは息切れをしている様子はない。その体力が羨ましい。
「ところでカラ松さん、その格好で行くんですか?」
「? ああ。何か可笑しいか?」
可笑しいというかちょっと私とカラ松さんが並んで歩いたらちょっと危ない関係に見えるっていうか…。
「着替えましょう!」
職質されそうだから、ということは言わないでおくことにした。
「いや、金がないから」
「……私が出します。支払いは仕事してからでいいです」
「そんな男らしくないマネは…」
「い い で す ね ?」
「……はい」
そこまで高い服は買えないので、ユニ〇ロに行くことにした。
最初はカラ松さんが選んだいたけど、どこにあった!?と言わんばかりの変なものばかり選んでくるから結局私がテキトーに選んだ。
今の格好はスキニーパンツに青いVネック、黒いカーディガンをきせたシンプルな服装だ。
「本当にこれでいいのか?」
「カラ松さんはシンプルでもかっこいいので大丈夫ですよ」
「! フッ、流石は俺。何でも似合うのはいい男の証だぜぇ?」
「はいはい」
いつもと違う服装に少し不安みたいだったが、褒めるとすぐに立ち直った。ちょろい。
「そろそろ行きましょうか」
「ああ!」
……やっと水族館にいける。