第6章 お出かけしましょう。
赤パーカーから逃げ、駅前まで走ること数分、私の体力が尽きていた。辛い。
「はっ、はっ、ちっ、ちこく……」
息切れが激しくて、うえっとえづきそうになる。
もう走れないのでよろよろと待ち合わせ場所まで歩いていると、横から声をかけられた。
「お嬢ちゃん、可愛いねー。俺達と一緒に遊ばない?」
ゲラゲラと笑いながら頭の悪そうな男どもが近寄ってくる。
1人の男が私の肩に手をのせる。さわんな。
「…約束が、ある、ので他、をあたって、ください」
「お嬢ちゃん釣れないねぇ、ほっといていいじゃん約束なんて」
「やだっ、ちょっ、いたっ」
男が逃げようとする私の腕をぐいっと引っ張ってきた。
疲れた体では、上手く力がいれることが出来なくて男を振り払えない。周りの人は誰も助けようとはしない。
「じゃあいこーかー」
「やだってば!」
「いいじゃんいいじゃん」
「俺の友人に何してるんだ」