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短編集〜猫達の茶番劇〜

第1章 惚れ薬


「何を、勘違いしていると?」
アヤが聞く。
「私は別に二人をイジメている訳では無いです……。調教ですよ、これは。」
同じことではないか、と全員が思った。
「……皆さん、まだ信じられないようですね。それでは、この奴隷に直接聞いてみてはいかがです?」
そう言うや否や、ホタルが手に持っている鞭で二人を叩く。
バチィッと乾いた音が響く。
思わず全員目を背けた。
「っ……うっ………。」
「うぅ…………。」
二人が呻きながら目を覚ます。
すると、ホタルは冷たい目で二人を蔑みながら、ドスの効いた声で言った。
「……………貴様ら、起きろ。いつまで寝ている。」
その言葉に反応し、二人がかっと目を見開き、ホタルの前で土下座をする。
アヤカ達に気付いているのか、いないのかもよく分からない。
「申し訳ありません、ホタル様!」
「どんな仕置きでも受けます!ホタル様!」
目をらんらんと輝かせる二人に、アヤカ達はドン引き。
「リム……私の執事のくせに、他の猫にへりくだるなんて、許しませんの!!」
リムの主人であるナコが激怒する。
「うわぁ……オレオが更なる変態にぃ………最悪ぅ。」
弟の情けない姿に、アイも唖然としている。
身内の者にとって、これはかなりの衝撃だったらしい。
喋れないソラも、表情で読み取れるくらい、嫌な顔をしている。
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