第2章 過去話 アヤカ
「私の家族です。」
驚く屋台の店主に、レイアは笑った。
「先生、その人、誰………ですか?」
「私の知り合いです。」
「ちょっ………ちょっとレイア……。」
弱ったように頭をかく店主。
「この料理を作ってくれた人ですよ。美味しいんですから、熱々なうちに食べて下さい。」
レイアの隣に座って、ラーメンを食べ始めるアヤカ。
「美味しいですか?」
頷く事も出来ないくらい頬張っている。
食べ物らしい食べ物など殆ど口にしたことなどない。たけどこれは、口の中をするすると滑らかに通り抜ける。
幸せそうに食べ続ける少女を、大人二人は優しく見つめていた。
*
それから、あたしは、先生と旅を続けた。色々なことを学び、教わった。楽しくて、幸せだった。
でも、いつの間にか、
先生は居なくなっていた。
探したけれど、何処に居るのか、分からない。
もう、先生と会うことは諦めてる。
だけど、
いつか会えたらいいのに………。
そんな思いでいる。